【症例紹介】9歳男児:平日のほぼ毎日続く激しい頭痛が、適切な予防療法で劇的に改善した症例
2026.07.20
「お腹も痛がる」「学校の先生に理解されず無理して登校している」といった、お子さんの頭痛でよくあるお悩みの治療経過です。
1. 受診前のご相談内容とこれまでの経過
- 年齢・性別:9歳 男児
- 初期の症状(小1頃〜):月に2回ほどの頭痛、めまい、腹痛(下痢・便秘を伴う)。小児科では「自律神経の乱れ」と言われていた。
- 症状の悪化(今年〜5月):頭痛が月4〜6回に増加。5月以降は平日のほぼ毎日頭痛が起こるようになる。
- 学校生活への影響:ひどい時は月1〜2回欠席。担任の先生からは「もう少しだから頑張ろう」と励まされるが、無理して登校している状態。保健室を利用することも多い。
2. 当院初診時の症状(頭痛のタイプと特徴)
詳しい問診と診察により、以下の特徴が確認されました。
- 痛みの強さ:前頭部がズキズキと激しく痛む(痛みの強さは10段階中最大の「10」)。
- 伴う症状:吐き気・嘔吐、動くと痛みが悪化する、うるさい音や眩しい光を煩わしく感じる。天気との連動性はなし。
- 診断:
- 前兆のない片頭痛
- 慢性片頭痛(頻度が著しく増えた状態)
- 腹性片頭痛(子どもの片頭痛に多く、腹痛や胃腸症状を伴うもの)
3. 治療経過と頭痛支障度(HIT-6)の推移
お子さんの体調や薬の相性を見ながら、慎重にお薬の調整を行いました。
- 5月中旬(初診時)
- 頭痛の頻度:毎日
- 頭痛による支障度(HIT-6):78点(非常に強い支障)
- 治療内容:予防薬Aを開始。しかし2日後に「気分不良」の副作用が出たため、すぐに受診いただき、予防薬B・Cへ変更しました。
- 6月上旬(再診時)
- 頭痛の頻度:21日間のうち6日間に減少
- 頭痛による支障度(HIT-6):47点に低下
- 治療内容:経過が良いため、予防薬を1錠から1.5錠へ増量。
- 7月18日(最終受診時)
- 頭痛の頻度:頭痛はほぼ消失
- 頭痛による支障度(HIT-6):38点(日常生活への支障がほぼないレベル)まで改善。
4. 今後の治療計画(見通し)
現在は頭痛がほぼない良好な状態を維持できています。
今後は、この安定した状態を約8ヶ月間維持することを目指します。その後、様子を見ながらお薬を徐々に減量していき、最終的には「お薬なし(ゼロ)」で過ごせる状態をゴールとして治療を続けてまいります。