【症例紹介】1年続いた中学生(14歳)の慢性片頭痛が、適切な予防療法で劇的に改善した事例
2026.07.20
■ ご相談時の状況(14歳・男児)
14歳の男児。小学校低学年の頃から軽い頭痛はありましたが、約1年前から症状が急激に悪化。
前額部(おでこ)や後頭部に強い痛みが生じ、ひどい時には激しい吐き気も伴うようになりました。
先週は痛みのあまり学校を欠席。頭痛は月の半分以上に及んでいました。
痛みの性質は以下の通り、典型的な「片頭痛」の兆候を示していました。
- 頭の片側がズキズキと脈打つように痛む
- 体を動かすと痛みがさらに悪化する
- 光や音がわずらわしく(眩しく・うるさく)感じる
- 吐き気や嘔吐を伴う
痛みの強さを表す指標(VAS)では、通常の頭痛でも「7〜8/10(10が耐えられないほどの激痛)」、ひどい時には「10/10」に達していました。
日常生活の支障度を表す「HIT-6」という問診票では74点。これは「生活に重度の支障がある」極めて深刻な状態です。
■ 専門医による診断と「珍しい特徴」
診断結果は「前兆のない片頭痛」および「慢性片頭痛」でした。
なお、このお子さんには一つ珍しい特徴がありました。通常、片頭痛はお風呂に入って体が温まると血管が拡張し、痛みが悪化することが多いのですが、彼の場合は「お風呂に入るとかえって頭がすっきりする」という独自の症状を持っていました。片頭痛の現れ方は、お子さんによってこのように個人差があります。
■ 治療経過
当院では、頭痛の頻度と強さを根本から抑えるため、まず「予防薬A」の内服による治療を開始しました。12月に予防薬Bを追加しました。
治療を開始してからの日常生活支障度(HIT-6)の推移は以下の通りです。
- 11月(治療前):74点(重度の支障)
- 12月:60点(少しずつ改善の兆し)
- 1月:38点(支障が大幅に減少)
- 2月:38点
- 3月〜7月:36点(3月以降は一度も頭痛が出ていません)
■ 今後の見通し
現在は頭痛が完全に消失し、HIT-6も36点(支障なし)を維持しています。
この安定した状態を8ヶ月間継続できたことを確認した後、今後は段階的に薬を減量し、最終的には薬に頼らない状態(中止)を目指していく予定です。