【小児頭痛の症例紹介】長年、朝の頭痛に悩まされていた12歳男の子の改善例

症例報告

【小児頭痛の症例紹介】長年、朝の頭痛に悩まされていた12歳男の子の改善例

2026.11.05

① 相談に来られたときの様子(主訴と背景)

  • 患者様: 12歳(小学6年生) 男の子
  • 主な症状: 月に5〜10回、特に午前中に強い頭痛が発生。頭痛がある日は学校に行けない状態が続いていた。
  • これまでの経過:
    7歳頃から頭痛があり、お父様も頭痛持ちという背景がありました。徐々に回数が増え、現在は寝不足やストレス、天候の変化(雨の前など)が引き金となり、月に5〜10回も頭痛に襲われるようになっていました。市販のアセトアミノフェン(解熱鎮痛薬)を月に10回以上服用していましたが、「たまに効く程度」で根本的な解決にならず、当院を受診されました。

② 専門医による診察と診断

  • 症状の詳しい分析(VAS 9/10の激しい痛み):
    頭痛のタイプはおでこから頭頂部にかけて、ズキズキと脈を打つような強い痛み(片頭痛)です。痛みの強さを10段階で評価するVASスケールでは「9(のたうち回るほどの激痛)」という非常に強いものでした。
  • 日常生活への支障:
    少し動くだけでも頭痛が悪化するため、動くことができず、吐き気や全身の倦怠感、イライラも伴っていました。
  • 診断結果:【小児期片頭痛】
    お父様からの遺伝的要因、天候やストレスによる誘因、随伴症状(吐き気や動いたときの悪化)から、典型的な小児片頭痛と診断しました。

③ 治療内容とアプローチ(予防療法の導入)

市販の鎮痛薬(アセトアミノフェン)の頻回な服用は、かえって頭痛を悪化させる原因(薬剤乱用頭痛など)にも繋がるため、頭痛そのものを起こりにくくする「予防薬」を中心とした治療計画を立てました。

  1. 予防薬Aの開始と調整
    まずは体に合わせた片頭痛の予防薬Aを開始しました。この治療により、わずか3週間で月に5〜10回あった頭痛が「3回」まで大幅に減少しました。
  2. 予防薬Bの追加(さらなる改善を目指して)
    予防薬Aを限界量(マックス量)まで調整して高い効果が得られたため、さらに頭痛の回数をゼロに近づけ、学校生活を安定させるために、新しく「予防薬B」を併用する段階へと進めています。

④ 現在の経過と専門医からのメッセージ

治療を始めてから、学校を休まなければいけないほどの激しい頭痛は劇的に減り、お薬がしっかりコントロールできている安心感から、ご本人の表情も明るくなってきています。