【症例報告】小学生(10歳女児)の慢性片頭痛:適切な予防療法で日常生活の支障度が改善した症例

症例報告

【症例報告】小学生(10歳女児)の慢性片頭痛:適切な予防療法で日常生活の支障度が改善した症例

2026.11.06

. 患者様の概要とご相談の経緯

  • 年齢・性別: 10歳・女児
  • 初診時期: 7月
  • 主訴: ここ1年で頻度が増加した頭痛、ここ数ヶ月はほぼ毎日(週4日以上)の頭痛

2. これまでの経過

  • 幼少期(幼稚園・年長~): 天気が悪い日などに時々頭痛がありましたが、頻度は多くありませんでした。
  • ここ1年: 頭痛の頻度が増加。学校で痛みを訴えることはあるものの、これまでに早退や欠席はしていませんでした。
  • ここ数ヶ月: ほぼ毎日、最低でも週に4日ほど頭痛が生じるようになり、長い時は半日ほど持続。受験を控えており、ご両親は睡眠不足の影響も心配されていました。
  • 市販薬(バファリンなど)の服用状況: 痛みが我慢できない時に服用。飲むと軽減するものの、痛みが完全にゼロになることはありませんでした。普段はけろっとしているように見えても、声をかけると「頭が痛い」と答えることが多い状態でした。

3. 医師による診断と見立て

国際頭痛学会の診断基準に基づき、以下の特徴から「前兆のない片頭痛」から「慢性片頭痛」へ移行(変化)している状態と判断しました。

  • 痛みの部位・性質: 片側性ではなく「頭全体」の痛み。ズキンズキンと脈を打つような拍動性の痛みがある。
  • 痛みの程度: VAS(視覚アナログスケール)で 7/10(最高を10として7)。頭痛が起きると横になりたくなる強さ。
  • 随伴症状: 吐き気・嘔吐のほか、光や音に対する過敏症状(光過敏・音過敏)を伴う。

4. 治療経過と効果

頭痛の頻度そのものを減らすための「予防療法」を開始しました。客観的な指標として、頭痛による日常生活の支障度を表す「HIT-6(頭痛影響テスト)」を用いて経過を追いました。

  1. 予防薬Aの開始
    • 効果: 日常生活支障度(HIT-6)が 57点(重篤な支障) ⇒ 46点(軽度〜中等度の支障)まで改善。
    • 判断: 一定の効果は見られたものの、まだ頭痛が残るため、予防薬Bを追加。
  2. 予防薬Bの追加・増量
    • 効果: HIT-6がさらに 46点 ⇒ 40点(支障なし〜軽度)まで低下。
    • 判断: 確かな手応えがあったものの、完全にゼロには至っていないため、本日の診察で予防薬Bをさらに増量。

5. 現在の状況(受診から約3ヶ月後)

7月の初診から約3ヶ月が経過した現在、ご両親からは以下のようにお話しいただいています。

  • 頭痛の「程度」「頻度」「持続時間」がすべて約半分に減少。
  • つらかった吐き気が出なくなった。

受験勉強や睡眠不足といった環境要因のなかでも、適切な予防薬の選択と調整(オーダーメイド治療)を行うことで、日常生活への影響を大幅に減らすことができています。今後も頭痛ゼロを目指し、慎重に経過を観察してまいります。

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