「朝起きられないのは甘えではなく『片頭痛』でした。14歳男子、誤解を乗り越えての治療」

症例報告

「朝起きられないのは甘えではなく『片頭痛』でした。14歳男子、誤解を乗り越えての治療」

2026.04.24

「朝起きられないのは甘えではなく『片頭痛』でした。14歳男子、誤解を乗り越えての治療」

内容:

【受診までの経緯】
中学2年生の男子。朝の激しい頭痛で起きられなくなり、不登校の状態が続いていました。
前医(大きな病院)では「起立性調節障害」と診断され、血圧を上げる薬(ミドドリン)を服用していましたが、効果は全く見られませんでした。
さらに、「親子関係に問題があるのではないか」と指摘され、夏休みの離島留学を勧められたり、修学旅行に参加したことを「無理をした」と厳しく叱責されたりと、ご本人もご家族も心に深い傷を負った状態で当院を受診されました。

【当院での診断】
詳しくお話を伺うと、頭痛には以下の特徴がありました。

  • 前頭部のズキズキとした痛み(拍動性)
  • 動くと痛みが増悪し、吐き気や音・光への過敏を伴う
  • 痛みの強さはVAS 6〜7(日常生活が困難なレベル)

検査の結果、単なる血圧の問題ではなく、「前兆のない片頭痛」および「慢性片頭痛」であると診断しました。日常生活支障度(HIT-6など)は64点と非常に高く、適切な治療が不可欠な状態でした。

【治療とアドバイス】

  1. 片頭痛の予防療法:根本的な痛みの頻度と強さを下げるための内服治療を開始しました。
  2. 環境の調整:起立性調節障害の側面も考慮し、お祖父様が使われていた電動ベッドを活用(背上げ・足上げ)し、起床時の血圧変動を和らげる工夫を提案しました。
  3. 食事指導:水分だけでなく、適切な塩分摂取を指導しました。

【医師からのメッセージ】
「学校に行きたいのに、体が動かない」——そんな子供たちの切実な思いが、時に「心理的な問題」や「家庭環境」のせいにされてしまうことがあります。修学旅行に行きたい、楽しみたいと思うのは子供として当然の願いです。
朝起きられない原因が「隠れた片頭痛」であることは少なくありません。正しい診断と治療があれば、子供たちはまた自分の足で学校へ向かうことができます。一人で悩まず、ぜひ専門医にご相談ください。

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