小児片頭痛は重症化の傾向(慢性片頭痛や不登校など)
2026.07.06
- 慢性化の割合: 12〜17歳の小児・思春期を対象とした研究では、月15日以上の頭痛が3ヶ月以上続く「慢性片頭痛」の割合は約20.9%との報告があります。 [1]福岡市の12歳〜17歳(中学生・高校生相当)の人口は約7万9,000人と推計されます。この年代は思春期にあたり、片頭痛の有病率は年代が上がるにつれて増加します。中学生の有病率(約4.8〜5.0%)と高校生の有病率(約15.6%)を適用すると、福岡市内に暮らす12歳〜17歳の片頭痛患者さんの数は、約6,000人〜8,000人規模にのぼると推定されます。慢性片頭痛だけでも1250人から1670人はいる計算になります。おそらくその殆どは不登校になっている計算です。
- 生活への影響: 慢性化または月に何度も激しい発作を起こす子供の多くは、頭痛だけでなく光・音への過敏、嘔吐を伴い、学校生活(保健室の利用や不登校)に重大な支障をきたします。 [1, 2]
- 二次性頭痛の可能性: 怖い頭痛(脳腫瘍など二次性のもの)の割合は子供全体では3〜6%程度と稀ですが、痛みが進行性の場合などは鑑別が必要です。 [1, 2]
治療の選択肢 小児の頭痛は、まず生活習慣の改善(睡眠、食事の規則正しさなど)や、頭痛ダイアリーをつけて誘発因子を避けることなど、薬によらない治療が推奨されます。重症度に応じて、アセトアミノフェンやNSAIDsといった急性期治療薬が使われますが、頻度が多い場合は予防薬による治療が検討されます。近年は、成人だけでなく小児においても、CGRP関連抗体薬などの新たな片頭痛予防治療の臨床試験や実用化に向けた研究が進められています。