大学病院で「体位性頻脈症候群(POTS)」と診断され、9か月治らなかった10代女の子の頭痛が「小児片頭痛」だったケース
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当院には、一般的な小児科や大学病院で「起立性調節障害(OD)」や「体位性頻脈症候群(POTS)」と診断され、適切な治療を受けているにもかかわらず、症状が全く改善せずに遠方から来院されるお子様が数多くいらっしゃいます。
先日も、他県から切実な思いで当院を探し当ててくださった、中学生の女の子と保護者様の事例をご紹介します。
[これまでの経過]原因不明の頭痛から不登校へ
お子様は10歳頃から、毎日朝起きた瞬間から1日中続く頭痛に悩まされていました。
中学校に入学した当初はなんとか登校できていたものの、頭痛の悪化に伴い、やがて学校へ通うことができなくなってしまいました。
近所の脳神経外科でのMRI検査では「異常なし」。なで肩による肩こりが原因と言われ、数ヶ月リハビリを続けましたが改善しません。
その後、紹介された大学病院の小児科で「体位性頻脈症候群(POTS)」と診断され、漢方薬や自律神経・睡眠を整えるお薬、痛みの神経を抑えるお薬など、さまざまな処方を受けて約9ヶ月間治療を続けました。
しかし、毎日1日中続く激しい頭痛(痛みの強さは最悪期を10とすると7〜8)は、まったく改善しませんでした。市販の鎮痛薬やカロナールも全く効かない状態でした。
[当院の診断]幼少期からの症状に隠されていた「片頭痛の変遷」
詳しくお話を伺う中で、重要な手がかりがありました。
お母様とお姉様が頭痛持ちであるという遺伝的背景に加え、お子様が幼稚園の頃、「周りの物が大きく見えたり、小さく見えたりする」という視覚の異変を訴えていた時期があったのです。
お母様は「不思議の国のアリス症候群ではないか」と心配されていましたが、まさにその通りです。
実は、この症状は子どもの片頭痛の代表的な「前兆(あるいは随伴症状)」の一つです。
このお子様は、成長に伴って以下のように病態が変化(移行)していました。
- 幼稚園児頃:不思議の国のアリス症候群(視覚の異常)
- その後:激しいお腹の痛みを伴う「腹性片頭痛」(大学病院で処方されたお薬が頭痛には効かず、腹痛にだけ効いていたのはこのためです)
- 現在:頭全体がズキズキと痛み、光や音が煩わしくなる「慢性片頭痛」
つまり、根本的な原因は起立性調節障害ではなく、「小児片頭痛」が重症化・慢性化したものだったのです。
長引く激しい体調不良により、精神的にも強い抑うつ状態(適応障害レベル)に追い込まれてしまっていました。
[当院の治療方針]効かない痛み止めを止め、毎日ある頭痛を減らす
すでに毎日頭痛が持続している状態では、一般的な痛み止め(鎮痛剤)はほぼ無効です。それどころか、飲み続けることでかえって頭痛を悪化させるリスクもあります。
そのため、当院では現時点で痛み止めは一切処方せず、「毎日ある頭痛のベース(頻度と強さ)を根本から減らすこと」に治療を集中させることにしました。
小児片頭痛の予防治療において、第一選択となる推奨薬(トピラマートやプロプラノロールなど)の中から、お子様の現在の状態(腹痛の既往や自律神経のバランス)に最も適したお薬を厳選し、根本治療を開始しました。
専門医からのメッセージ
子どもの片頭痛は、大人のように「頭の片側だけが痛む」とは限りません。
頭全体や後頭部が痛むことも多く、朝起きられない、めまい、動悸、お腹の痛みといった症状が前面に出るため、大学病院であっても「起立性調節障害」や「体位性頻脈症候群」という診断の影に、片頭痛が隠れて見落とされてしまうケースが多々あります。
「大学病院で何ヶ月も治療しているのに、朝の頭痛が治らない」
「頭痛のせいで不登校になってしまい、子どもが出口の見えない苦しみにいる」
そうお悩みの保護者様は、諦める前に、ぜひ一度「小児片頭痛」を専門とする当院へご相談ください。お子様が本来の笑顔を取り戻し、再び前を向いて歩き出せるよう、全力でサポートいたします。