Vomiting
周期性嘔吐症とは

周期性嘔吐症(しゅうきせいおうとしょう)とは、原因がはっきりしないのに、周期的に強い吐き気や嘔吐を繰り返す病気です。
特に1〜5歳以降に多く見られる症状で、小児片頭痛と関係が深いとも言われています。
お子様によって嘔吐の回数には個人差がありますが、中には一日に何十回も嘔吐するお子様もいらっしゃいます。
身体への負担が大きいことはもちろん、脱水症状にも注意する必要があります。
周期性嘔吐症の原因
はっきりとした原因はわかっていない周期性嘔吐症ですが、精神的ストレスの蓄積や過度の疲労状態が周期性嘔吐症を引き起こす可能性があると考えられています。
そのほかにも遺伝的な要素や睡眠不足などの生活習慣が関わっていることもあるため、細かいカウンセリングで原因を究明する必要があります。
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周期性嘔吐症と頭痛の関連

当クリニックでは、周期性嘔吐症は片頭痛と深い関係があると見て診療を行っています。
具体的には、幼い頃に周期性嘔吐症を患っているお子様の多くは、成長すると小児片頭痛を経て大人になっても片頭痛で悩まされる可能性が高いと考えています。
周期性嘔吐症を自律神経失調症と紐付ける考え方もありますが、私の見解では片頭痛の治療や予防こそが、周期性嘔吐症の改善に役立つと思っています。
治療方法
上記の観点から、当クリニックでは周期性嘔吐症に悩むお子様に、片頭痛と同じ治療を提供しています。
実際に周期性嘔吐症で何年も悩んでいたお子様が片頭痛の治療を受けたところ、症状が緩和されて完治したというケースもあります。
吐き気に対する対処法としては、以下のような治療も行っております。
嘔吐発作に対する具体的な治療方法
吐き気を抑えるための制吐剤というお薬を用いて、吐き気そのものが起こりにくいように調整します。
また、嘔吐によって脱水が懸念される場合には輸液を行うケースもあります。
周期性嘔吐症に関する注意点
周期性嘔吐症では、短時間に何度も激しい嘔吐を繰り返すため、脱水症状に注意が必要です。
特にお子様は大人と比べて体が小さい分、体内の水分量が少なく脱水が進行しやすいため、早めの対応が大切です。
唇や口の乾き、尿の量が少ない、元気がないなどのサインが見られたら要注意です。
とはいえ、吐き続けている時に食事や水分補給をしても逆効果になってしまうため、吐き気が治まっている時に少しずつ水分を摂るようにしましょう。
なお、家庭での水分補給が難しい場合は、早めに医療機関を受診し、点滴などの処置を受けることが重要です。
発作のたびに脱水を繰り返すと、体力の低下や回復の遅れにつながることもあるため、症状が出たらすぐに休ませて、水分補給と経過観察を心がけましょう。
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周期性嘔吐症は
治療ができる病気です
周期性嘔吐症は、嘔吐が繰り返し起こることから「胃腸の不調」と考えてしまう親御様も少なくありません。
また、「自律神経失調症と診断されたから」と、片頭痛との関連を放置してしまうこともあるかもしれません。
しかし、嘔吐が頻繁に繰り返される場合や回復に時間がかかる場合、やはり片頭痛との関連性は見過ごしてはならないポイントになります。
適切な治療を受けることで、症状の改善が早く進み、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。
「周期性嘔吐症で通院しているがなかなか改善が見られない」とお困りの際には、一度、当クリニックへご相談いただけたらと思います。