2. 「OD関連頭痛」に隠れた片頭痛
2026.03.31
「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」では、頭痛をODの部分症状として扱
っていますが、頭痛学会の視点からは以下のリスクが考えられます。
診断の優先順位: 立ちくらみや朝起き不良が目立つと「OD」と一括診断され、
国際頭痛分類第3版(ICHD-3) に基づく詳細な問診が省略される傾向があり
ます。
治療のミスマッチ: OD治療としての水分・塩分摂取やミドドリン投与だけでは、
片頭痛の痛み自体はコントロールできません。片頭痛に対しては、 ロメリジン
やトリプタン製剤 など、機序に基づいた治療が必要になります。
頭痛学会 +3
3. 自律神経症状としての片頭痛
近年の研究では、小児・思春期の片頭痛患者において、頭部自律神経症状(耳閉感
など)の合併が高い割合で認められることが報告されています。これは、三叉神経血
管系と自律神経系の密接な関わりを示唆しており、「ODによる頭痛」と「自律神経症
状を伴う片頭痛」が表裏一体であることを裏付けています。
頭痛学会
結論と展望
先生のご指摘の通り、OD診療の枠組みの中に片頭痛が埋没している現状は否定で
きません。特に「不登校を伴う重症OD」とされる症例の中に、未治療の慢性片頭痛が
潜んでいる可能性は、日本小児心身医学会と日本頭痛学会がさらに連携して啓発す
べき重要課題と言えます。