15歳・男の子の片頭痛の症例

症例報告

15歳・男の子の片頭痛の症例

2025.07.29

この患者さんは、15歳の男の子です。
2023年の10月ごろから頭痛の症状が始まりました。きっかけのひとつとして、電車の人身事故を目撃した体験があり、その後、心療内科にも通うようになりました。

症状の特徴

最近では、ほぼ毎日のように頭痛があり、1回の頭痛は半日ほど続くとのことです。
痛みは頭の真ん中から後ろにかけてズキンズキンと脈打つような痛みで、**ひどいときには「頭が割れそうなほど痛い(10点満点中8点)」**と表現されていました。

頭痛は特に午前中や夕方に多く学校にいるときに強くなる傾向があります。
また、痛みだけでなく、以下のような症状も併発しています:

  • 吐き気や嘔吐
  • 音や光、においへの過敏さ
  • 体のだるさや肩こり
  • 頭痛があるときは横になりたくなるほどつらい

日常生活への影響

日常生活に支障が出るような強い頭痛は、月に1~3日程度あり、勉強に集中できない日が続いていました。
日常生活への影響を数値で表す「支障度」は、診断当初で57点(※点数が高いほど生活への支障が大きい)でした。

治療の経過

痛み止めとしては市販薬(カロナール)を毎日のように内服しており、「よく効く」と感じていましたが、薬を使いすぎることで頭痛が慢性化するおそれがありました。

診断は以下の3つが重なった状態とされました:

  • 前兆のない片頭痛
  • 慢性片頭痛
  • 薬の使いすぎによる頭痛(薬物乱用頭痛)

そのため、予防治療薬Aを使い始め、その後Bを追加
その結果、頭痛の頻度は次第に減っていき、最近ではほぼ7ヶ月間、頭痛のない日が続いているとのことです。

現在は、状態が安定しているため、予防薬の減量を開始しています。

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