10歳台女児片頭痛の経過

症例報告

10歳台女児片頭痛の経過

2025.08.25

10代の女の子のお話です。

小さい頃から時々強い頭痛や吐き気があり、小児科から脳外科に紹介されてCT検査を受けましたが、特に異常は見つかりませんでした。そのとき「片頭痛」と診断されています。

8歳頃から月に1回ほど頭痛が出るようになり、最近では週に1回くらいと少し頻度が増えてきました。ただ、まったく頭痛がない月もあるなど、波があります。

頭痛は朝起きたときから出ることが多く、解熱鎮痛薬(カロナール)を飲んでも効かないときには吐いてしまうこともあります。また、頭痛の前に10分ほど視界が暗くなる“前ぶれ”が出ることがあり、この症状は「片頭痛の前兆」と呼ばれるものです。

本人の頭痛による生活への影響を点数化すると(HIT-6という評価法)、初診時は69点と高く、日常生活に大きな支障が出ていました。そのため、片頭痛の予防治療を始めました。

治療を続けるうちに、HIT-6の点数は2月以降ずっと36点と安定し、頭痛はほとんど起こらなくなりました。8か月間頭痛のない状態が続いたため、現在は薬を少しずつ減らす段階に入っています。

これほどきれいに頭痛が減ったのは、薬の効果によるのか、もしくは「薬を飲んでいる」という安心感によるプラセボ効果なのかは正確にはわかりません。しかし、日常生活に支障がなくなったことは大きな成果といえます。

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