8歳女児 新規発症持続性連日性頭痛

症例報告

8歳女児 新規発症持続性連日性頭痛

2026.02.12

家族歴父親が頭痛もち。1月14日と1月16日小児 allergy クリニックを受診。その時は咽頭痛もあり、喉の風邪の診断。カロナールイブプロフェン処方されるが効果がなく頭痛が続いている。先週は2日学校を休んだ。今日は、6/10の痛みが残っている。運動をして頭をぶつけたりすると頭痛が時々見られる。今は1週間前から頭痛が続いている。頭痛は一日中ある。ある日を境に急に発症した新規発症持続性連日性頭痛であり、日常生活支障度は現在60点予防治療を開始します。頭痛がゼロになった状態で8ヶ月を維持し、その後徐々に薬の減量中止に入っていく。内服で日常生活支障度は約3週間後に66点から57点に低下。頭痛は良くなった。強さが減ったが、回数は今のところあまり変わらないという話でした。

■ 症例:8歳 女児

  • 既往・家族歴: お父様が頭痛持ち。
  • 発症のきっかけ: 1月中旬、喉の痛み(咽頭痛)を伴う風邪症状でクリニックを受診。その後、風邪は治ったものの、「ある日を境に」突然激しい頭痛が始まり、一日中途切れることなく続くようになりました。
  • 受診時の状況: 市販の鎮痛薬(アセトアミノフェンやイブプロフェン)がほとんど効かず、痛みのため学校を欠席。日常生活への支障度は「60点(100点中)」と、本来の生活が半分も送れない深刻な状態でした。

■ 診断:新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)

問診の結果、発症した日が特定できるほど急激に始まり、3ヶ月以上にわたって毎日痛みが持続していることから、国際頭痛分類に基づき「NDPH」と診断しました。この疾患は、風邪などの感染症をきっかけに、脳の痛みを制御するシステムが過敏な状態(感作)になることで起こると考えられています。

■ 治療方針と経過

NDPHは難治性といわれますが、早期の予防療法(脳の過敏性を抑える薬物治療)が鍵となります。

  1. 治療ゴール: 痛みゼロの状態を「8ヶ月間」維持し、脳に「痛くない状態」を記憶させます。その後、数ヶ月かけて慎重に薬を減量・中止していきます。
  2. 治療3週間後の経過: 予防薬の内服開始後、日常生活の支障度は「57点」へと改善。痛みの回数はまだ残るものの、「痛みの強さ(強度)」が明確に軽減し始めました。これは治療が順調に進んでいるサインです。

■ 専門医からのアドバイス

お子様の頭痛が「いつから始まったか」をはっきり覚えている場合、それは単なる疲れや精神的なものではなく、NDPHという治療が必要な状態かもしれません。適切な診断と長期的な視点での治療により、再び元気に登校できる日は必ずやってきます。


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