インフルエンザ感染後から毎日続く6歳男児の頭痛

症例報告

インフルエンザ感染後から毎日続く6歳男児の頭痛

2026.01.05

症例: 6歳男児
主訴: 1ヶ月以上続く連日性の頭痛

現病歴:
202X年12月にインフルエンザに罹患。解熱後より連日性の頭痛が出現し、現在まで毎日持続している。前医(小児科)にてアセトアミノフェンを処方され、服用時は一定の効果を認めるが、完全に消失することなく推移している。

頭痛の特徴:

  • 部位・性質: 前額部。性状は不明。
  • 随伴症状: 悪心・嘔吐の明確な自覚はないが、頭痛時に食欲が低下することから、軽度の悪心を伴っている可能性が高い。光過敏・音過敏は否定。
  • ADLへの影響: 疼痛時は静止して過ごすことが多く、活動性の低下を認める。
  • 疼痛スケール: 年齢的に数値化・図示による表現は困難であった。

心理社会的背景および母子間の認識:
母親の問いかけ(「本当に痛いの?」という確認)以降、母親の前での訴えは減少していた。しかし、診察室で本人に直接確認したところ「毎日痛い」と断言しており、母親の反応を伺って表出を抑制していた可能性が示唆される。母親は本人の回答を聞き、認識の乖離に驚いた様子であった。

診断的考察:
インフルエンザ罹患という明らかな感染症を契機に発症し、3ヶ月を超えない範囲で毎日欠かさず持続している。国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の「新規発症持続性連日性頭痛(NDPH)」の疑いとして矛盾しない。片頭痛様の特徴(悪心を推測させる食欲不振、体動による悪化を推測させる静止状態)を一部伴うが、現時点では感染後反応としてのNDPHを第一に考える。

治療方針:
体重19-20kgを考慮し、前例(女児例)に準じた予防療法および急性期治療を選択する。母子間の認識のズレが本人のストレス因子となっている可能性も考慮し、経過観察を行う。

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