まわりに伝わりにくい6歳の重症片頭痛

症例報告

まわりに伝わりにくい6歳の重症片頭痛

2025.12.09

小さな子どもの頭痛は、まわりに伝わりにくいものです

6歳の女の子のお話です。
幼いころから頭痛を感じることがあり、最近は頭の上のあたりに「揺れるような感じ」や「カンカンするような痛み」が出ることがあります。気持ち悪さを伴うこともあり、痛みが強いと横になって動きたがらなくなります。

学校では、休み時間の前に頭痛を訴えることが多く、空腹や体のリズムが影響している可能性もあります。日によっては、頭を動かすことすらつらいほどの痛みになり、週に何度も生活に支障が出ていました。検査では大きな異常はありません。HIT-6 76点、MIBS4 4点

人混みや車の揺れで気分が悪くなりやすいこと、習い事で体を動かしている最中に痛みが出ることもあります。こうした特徴は、子どもの片頭痛でよくみられるパターンです。

ご家庭では、保護者のかたも頭痛に悩まれており、子どもの様子を見て「これは普通の疲れではない」と感じて当院を受診されました。

しかし学校では、発熱や嘔吐のような目立つ症状がないと理解されにくく、「元気に見えるのにどうして?」と思われてしまうことがあります。幼い子どもは、自分のつらさをうまく言葉にできず、痛みが強くても見た目では分からないことが多いのです。

当院では、こうした子どもの頭痛に対して、生活の質を守るための治療や予防を行っています。
「大げさでは?」と思われがちな症状でも、本人にとっては大きな負担です。周囲の理解があるだけで、子どもは安心して学校生活を送ることができます。