【症例報告:周期性嘔吐症を合併した小児片頭痛の治療経過】
2026.02.09
1. 症例・診断
- 患者: 10歳 男児
- 家族歴: 父、妹に頭痛あり(片頭痛の強い遺伝的背景を示唆)
- 既往・経過: 8歳時より頭痛が出現。年2回程度の不登校を伴う重症化あり。
- 診断:前兆のない片頭痛 および 周期性嘔吐症(CVS)
- 頭痛は月1回程度だが、1〜2ヶ月に1回の頻度で自家中毒(周期性嘔吐症)を認め、悪心・嘔吐に加え最長2日間持続する頭痛を随伴。
- 頭部CTにて器質的疾患を否定済み。
2. 治療介入のねらい
頭痛の頻度自体は多くないものの、周期性嘔吐症によるQOL(生活の質)への悪影響が顕著であることから、ご家族との十分なインフォームド・コンセントを経て、両病態の根絶を目標に予防療法を開始しました。
- 使用薬剤: 片頭痛予防薬AおよびB
3. 経過および治療反応性
日常生活支障度(HIT-6)の推移を指標に評価を行いました。
- 初回: 50点
- 2回目: 58点(一過性の増悪、あるいは評価精度の向上)
- 3回目: 42点(有意な改善を認める)
予防療法の導入により、HIT-6スコアは著明に低下。嘔吐エピソードおよび随伴する頭痛の頻度・強度の両面で軽減傾向にあり、日常生活への支障は最小化されつつあります。