【症例報告】「学校に行けないのは、心の病気ではありません」

症例報告

【症例報告】「学校に行けないのは、心の病気ではありません」

2026.03.31

〜大学病院で「親子離し」を提案された9歳女児の真実〜

遠方から当院を訪れた9歳の女の子のケースです。
5歳から毎日続く頭痛。欠席や遅刻を繰り返し、日常生活に深刻な支障をきたしていました。

  • 前医での対応
    複数の病院を経て大学病院に入院。「原因がわからないので、親子の接触を断って経過を見ましょう」と提案されたそうです。ご両親はその対応に強い違和感を抱き、当院を受診されました。
  • 当院での診断
    検査と詳細な問診の結果、診断は「慢性片頭痛(前兆のない片頭痛)」
    日常生活支障度(HIT-6)は70点、MIBS-4は10点と、大人でも耐えがたいほどの極めて重度な状態でした。
    • ズキズキとした拍動性の激痛(VAS 9/10)
    • 動くと痛みが増し、吐き気や光・音への過敏がある
    • 親子関係は極めて良好

これは決して「自律神経失調症」や「メンタルの問題」ではありません。脳の器質的な疾患である「片頭痛」そのものです。

専門医としての視点:なぜ「予防薬」が語られないのか

この患者様は他院で「慢性片頭痛」と診断名がついた時期もあったそうです。しかし、ご家族が切望した「予防療法(頭痛の回数を減らす治療)」は提案されませんでした。

小児の片頭痛に対し、適切な予防薬を選択し、用量を調整してコントロールする――。この当たり前の治療が行われず、「原因不明」として親子を引き離そうとする医療の現状に、私は強い違和感を禁じ得ません。

当院の対応とメッセージ

当院では、20年以上にわたる小児片頭痛の治療経験に基づき、直ちに予防薬の処方を開始しました。お子様の場合、治療のゴールは「頭痛ゼロ」です。

「学校に行けないのは、根性がないからでも、親の育て方のせいでもありません。適切な治療が必要な『病気』のせいです」

もし、お子様の頭痛で「心の問題」と片付けられ、途方に暮れているご家族がいらっしゃれば、諦めずにご相談ください。また、診断や処方にお悩みの先生方がいらっしゃれば、いつでも情報共有させていただきます。

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