「月5〜6回の激しい頭痛で動けなくなる9歳男児。小児特有の症状から診断した片頭痛の改善例」
2026.02.24
【症例】
9歳 男児
【主訴と経過】
1年ほど前から頭痛が出現。昨年12月に溶連菌に感染したあと、症状が急激に悪化しました。
月に5〜6回、前頭部から頭頂部にかけて「ズキズキ、ガンガン」と割れるような強い痛み(10段階中8〜9)に襲われるようになりました。持続時間は1時間から1日ほど続きます。
【専門医の視点:診断のポイント】
国際頭痛分類(ICHD-3)の基準に照らし合わせると、このお子さんのケースには小児特有の難しさがありました。
- 痛みの強さとADL(日常生活動作):
通常、これほどの痛みがあれば「じっと寝込む」のが一般的ですが、このお子さんは発達特性の影響もあり、痛みが強くても動き回ってしまう傾向がありました。 - 随伴症状の不在:
吐き気や光・音への過敏さが明確には認められませんでした。 - 診断の決め手:
基準を完全には満たさないものの、「母親が頭痛持ちであるという遺伝的要因」「日常生活を阻害するほどの痛みの強さ」「拍動性の痛み」を重視し、基準を一つ欠く「前兆のない片頭痛(疑い)」と診断しました。
【治療内容と経過】
頭痛の頻度と強度が著しく、日常生活に支障をきたしていたため、速やかに予防療法(予防薬A)を開始しました。現在は、頭痛に怯えることなく過ごせる日々を目指し、経過を観察中です。