Headaches Child
乳幼児にも頭痛はあるの?

頭痛というと、大人や思春期のお子様に多いイメージを持たれがちですが、実は乳幼児でも頭痛は起こります。
とはいえ、まだ上手に言葉が出ないような小さなお子様は「朝起きてから頭が痛いんだけど」などと訴えることはできません。
「頭が痛い」「こんな風に痛い」「いつから痛い」と、うまく症状を伝えられない乳幼児の頭痛。
見逃さないためには、お子様のサインをしっかりキャッチすることが大切です。
小さなお子様の「頭が痛い!」サイン
サインは、お子様によってそれぞれですが、どの子も一生懸命つらさを伝えようとしてくれているはずです。
以下のような仕草が見られる場合には、もしかすると頭痛を訴えているかもしれません。
頭を押さえて泣く

ぶつけたわけではないのに頭を押さえてグズグズしている場合は、頭痛の可能性があります。
これは比較的わかりやすいサインで、親御様が「どこか痛いの?」と聞くと頭を指さしたり、おでこを押さえたりするケースも多いです。
光や音を嫌がる
音の鳴るおもちゃやテレビの音など、普段は楽しんでいる刺激を嫌がる場合には、頭痛が起こっているかもしれません。
暗い部屋に行きたがったり、普段通りの明るさに対して目をしょぼしょぼさせたりすることもあります。
機嫌が悪くなり、ぐずる

小さなお子様は、言葉で伝えられない不快を、感情で表現します。
ぐずったり、泣いたり、甘えたり、怒りっぽくなったり、表現方法はその子によって異なりますが、明らかにいつもと違う不機嫌さが見られる場合には、何らかの不調を抱えていると考えましょう。
食欲がなくなる
頭痛がひどいと、場合によっては痛みで吐き気が起こる場合もあります。
それでなくとも、頭が痛い状態はご飯を食べる気にならないものです。
小さなお子様も同じで、お腹が空いている時間なのにご飯を嫌がる場合は、頭痛と戦っている最中かもしれません。
いつもと違う寝方をする
片頭痛のように部分的な痛みがあると、無意識にその場所を庇おうとしたり、極力痛みを感じにくいポジションを探したりするものです。
普段は仰向けなのに頭を押し付けるようにうつ伏せになっている、何度場所を戻しても同じ場所で同じ体勢を取ろうとする、という場合には頭痛を疑いましょう。
突然嘔吐する
小さなお子様は、頭痛の際に吐いてしまうことがあります。
胃腸炎を疑って小児科を受診したものの、下痢などの症状がなく感染も見つからなかったというケースでは、頭痛が原因だった可能性が考えられます。
顔色が悪くぐったりしている
ずっと元気に遊んでいたのに突然横になりたがったり、顔色が悪くなったりした場合、「どこが痛い?」と聞いてみましょう。
頭付近を押さえる場合には、突然の頭痛に襲われているのかもしれません。
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乳幼児に多い頭痛症状
片頭痛

片頭痛は男の子で8歳前後、女の子で14歳前後から多くなりますが、それ以前に片頭痛の症状を訴えるお子様も少なくありません。
小児の片頭痛は1時間〜48時間ほど続くとされ、大人よりは短期間ですが吐き気を伴う痛みが起こることもあるため、注意が必要です。
ひどく辛そうにしていたのに、しばらく経つと何もなかったかのように元気になるというのも片頭痛の特徴です。
小児片頭痛の特徴
- 1〜2時間の頭痛など、持続時間が短いこともある
- 両側性の痛みであることが多い
- 吐き気や嘔吐を伴いやすい
- 両親が片頭痛持ちの場合、子どもも同じタイミングで頭痛を訴えることがある
周期性嘔吐症
周期性嘔吐症は、胃腸症状がないにもかかわらず一日に何度も嘔吐を繰り返す状態です。
4歳〜5歳ごろのお子様に多くみられ、小児片頭痛の前兆としても早めの治療が必要です。
周期性嘔吐症の特徴
- 嘔吐発作は1日に何回も起こることがあり、数時間から数日続くこともある
- 嘔吐の発作と発作の間は全く元気で、それ以外の症状がない
- 発作の頻度は人によって異なり、数週間〜数ヶ月に1回などさまざま
- 吐き気に加えて、腹痛・頭痛・めまい・光や音に敏感になるなど、片頭痛に似た症状を伴うことも多い
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乳幼児の頭痛、
薬は飲ませても大丈夫?

お子様の年齢に応じて使用できる薬を服用するという前提のもと、一回飲んで対処できるものであれば使用することも選択肢の一つです。
ただし、痛みが出る度に市販の薬を用いたり、常に鎮痛剤を用意しておいたりするような使い方は、推奨していません。
市販の薬は、使い過ぎると逆効果となり、薬物乱用頭痛を引き起こすことがあります。
また、お子様の体にも負担をかけてしまう可能性があるため、なかなか治らない頭痛や繰り返す頭痛は早めにクリニックを受診するようにしましょう。
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お子様が頭痛で悩んでいたら、できること
お子様が頭痛を訴えたとき、親御様ができることはたくさんあります。
まずは「つらいね」と気持ちに寄り添い、無理をさせないことが大切です。
頭痛のタイミングやきっかけ、痛みの場所や様子をメモしておくと、受診時の助けになります。
また、睡眠・食事・運動といった生活リズムを整えることで、頭痛が落ち着くこともあります。
そして「よくあること」「気のせいかも」と流さず、早めに専門医へ相談をすることが大切です。
小さなお子様は自分で症状をうまく説明できないので、周囲の大人が気づいてあげることが治療の第一歩となるでしょう。