Headache
慢性連日性頭痛とは

慢性連日性頭痛とは、1日に4時間以上、1ヵ月に15日以上、そしてこれらの状態が3ヵ月以上持続している頭痛を指します。
慢性連日性頭痛は薬が効きにくく、なかなか改善できないことから学校を休みがちになるなど、日常生活に大きな支障をきたしてしまうお子様も少なくありません。
中には、長期的に学校をお休みする必要に迫られるというケースもあります。
慢性連日性頭痛の原因
慢性連日性頭痛の原因は一つではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
もともと片頭痛のお子様、緊張型頭痛を起こしやすいというお子様が、何らかのきっかけでそれらの症状が慢性化するケースが多く見られます。
もともとの頭痛が慢性化するケース
上記で少し触れましたが、片頭痛や緊張型頭痛を持っていたお子様が、何らかのきっかけで慢性化してしまうというものです。
生活習慣の乱れやストレスが引き金になることも多く見られます。
薬の使いすぎによる頭痛
痛み止めを頻繁に使いすぎると、薬物乱用頭痛という症状が現れるようになります。
お薬の使い過ぎは逆に頭痛を引き起こす原因になってしまうのです。
市販薬は簡単に購入できる分、いつでも使えると思われがちですが、自己判断での長期使用はなるべく避けるようにしましょう。
精神的ストレスやメンタルの不調
お子様が過度の不安やうつ症状を抱えている場合、一つの症状として頭痛が起こるようになります。
そして頭痛そのものがさらにストレスになってしまうという悪循環も起こり得るため、早めに医療機関で相談することが大切です。
睡眠不足による慢性的な頭痛
睡眠時間が足りていなかったり、睡眠の質が悪かったりするお子様は、頭痛が起こりやすくなります。
睡眠以外にも、生活習慣の乱れは体の不調を引き起こす要因になってしまうため、まずは生活習慣の見直しを行っていきましょう。
思春期による、ホルモン変化の影響
ある程度大きくなったお子様の場合、ホルモンバランスの変化によって頭痛が起こりやすくなることがあります。
特に女の子は女性ホルモンの変化が顕著に現れるため、一時的に頭痛で悩まされることがあるかもしれません。
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併発しやすい疾患

慢性連日性頭痛は、その名前の通り「毎日のように頭痛が起こる」という状態です。
大人であっても大きな苦痛を感じることでしょう。
実際に慢性連日性頭痛で悩むお子様は、身体だけでなく心にも負担を抱えていることが多いです。
以下では、慢性連日性頭痛を抱えるお子様が併発しやすい疾患や問題をいくつか紹介します。
懸念すべき疾患
不安障害・うつ傾向
頭痛が続くことで日常生活に支障が出て、気分が落ち込みやすくなったり、学校に行けない不安やイライラが蓄積したりと、悪循環に陥ります。
その結果、不安障害やうつ症状が現れるお子様も少なくありません。
睡眠障害
連日の頭痛によって生活リズムが乱れ、寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めてしまったりと、睡眠のバランスが崩れてしまうことがあります。
結果として朝起きられない、朝になると頭痛がひどくなるといった問題に繋がります。
消化器症状
ストレスが胃腸の不調につながりやすいタイプのお子様は、頭痛だけでなく吐き気や腹痛などお腹にも症状が出ることがあります。
懸念すべき問題
不登校・登校しぶり
慢性連日性頭痛に限らず、頭痛をきっかけに、お子様が学校から離れてしまうことは決して珍しいことではありません。
片頭痛であっても同様の問題があります。
連日お休みをしてしまい、余計行きづらくなることで不登校のような状況になってしまうのです。
「学校に行きたいのに行けない」という状態は、お子様にとって大きな精神的ストレスになるため、早めの対処が必要です。
周囲からの誤解
慢性連日性頭痛や片頭痛のお子様の中には「朝は頭痛で起きられないけれど、しばらくすると症状が落ち着く」という子も多くいらっしゃいます。
親御様がこうした性質を理解していないと「サボり?」と考えて「学校に行きなさい!」と強い口調で叱ってしまうケースもあるかもしれません。
また、家族が理解していても、周囲が誤解をしてしまうこともあります。
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こんな特性のお子様は注意が必要
慢性連日性頭痛は、お子様の性格の特徴も考慮して診断を行わなくてはなりません。
以下のような特性を持つお子様は、ストレスから頭痛が起こりやすくなる傾向があります。
片頭痛との関連
- もともと片頭痛持ちである
- 幼い頃に周期性嘔吐症だったことがある
- 両親が片頭痛持ちなど、遺伝的な要因が考えられる
など
性格的な特徴
- 友人関係や先生との信頼関係など、対人関係の構築が得意ではない
- 感受性が豊かで、その分ストレスを溜めやすい
- 責任感が強く、周りの期待に応えようとする
- 不安や緊張をうまく言葉で表現できない
- 自分の感情を押し殺して我慢をしてしまう
- 完璧主義で、小さなことでもずっと引きずりがち
など
環境的な特徴
- 学校に対して「居場所がない」「行きたくない」と感じている
- 家庭内に「居場所がない」「居心地が悪い」と感じている
- 学校や家庭で何らかの問題(いじめ、家庭内暴力など)にさらされている
- 睡眠バランスが不規則になっている
- スマホやゲームを長時間使用する環境にいる
など
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慢性連日性頭痛は
我慢しないで受診しましょう
大人の方にも多いですが「ただの頭痛だし」「毎日のことだし」「これくらいで病院に行くのも…」と慢性連日性頭痛を軽視してしまうことがあります。
また、毎日の頭痛をお薬で誤魔化している方もいらっしゃるかもしれませんが、鎮痛剤は根本的な解決にはなりません。
特に慢性連日性頭痛は鎮痛剤が効きにくく、連日服用しているとかえって逆効果になってしまいます。
少しでも日常生活に支障が出ている場合には、とにかくまず当クリニックへご相談にお越しください。
特にお子様の「学校に行きたいのに行けない」という問題は非常に深刻です。
しっかり治療をして、笑顔で学校に行けるように私たちもしっかりサポートを行います。