【福岡】周期性嘔吐症とは?子どもに見られる特徴と受診の目安を解説!

「また急に吐いてしまった…」「元気だったのに、繰り返し嘔吐して心配」
このような症状が定期的に起こるとき、周期性嘔吐症(しゅうきせいおうとしょう)の可能性があります。
周期性嘔吐症は小児期に多く見られる病気で、片頭痛とも深い関係があるといわれています。
特徴を知っておくことで、受診のタイミングやご家庭でのサポートにつなげやすくなります。
周期性嘔吐症とは?
周期性嘔吐症は、健康に見えるお子さんが数時間から数日にわたって激しい嘔吐を繰り返す病気です。
発作は数週間から数か月おきに周期的に起こり、発作のない時期は普段通り元気に過ごせるのが特徴です。
原因ははっきり解明されていませんが、自律神経の乱れや遺伝的要因、片頭痛との関連が指摘されています。
子どもに多い周期性嘔吐症のサイン

一定の間隔で同じような症状が出る
周期性嘔吐症の大きな特徴は、数時間から数日続く強い嘔吐発作が、数週から数か月おきに一定の周期で繰り返されることです。
たとえば「毎月同じ頃に数日間吐き続ける」「数週間に一度、突然強い吐き気が始まる」といった形で現れます。
感染症による嘔吐も数日間続くことはありますが、周期性嘔吐症では発作のない時期はほぼ完全に症状がなく元気に過ごせる点が大きな違いです。
発作が終わると普段通りに戻る
発作中はぐったりして食事や会話も難しいほどつらそうにしていても、発作が収まると嘘のように元気に戻るのが特徴です。
保護者が「さっきまで吐いていたのに、急に元気になった」と驚くことも少なくありません。
ただし体力は大きく消耗しているため、発作後はしばらく無理をせず安静を心がけることが大切です。
嘔吐以外の症状を伴うことがある
周期性嘔吐症は、単なる吐き気や嘔吐だけにとどまらず、蒼白・傾眠・羞明や音過敏・頭痛やめまいといった症状を伴うことがあります。
こうした症状の有無を家庭で記録しておくと、診断の手がかりになります。
周期性嘔吐症と片頭痛の関係
周期性嘔吐症は、国際頭痛分類ICHD-3において「小児周期性症候群(片頭痛に関連する疾患)」として位置づけられています。
つまり単なる胃腸の不調ではなく、片頭痛と深く結びついた病気と考えられています。
実際に、周期性嘔吐症を経験したお子さんの一部は、成長の過程で片頭痛を発症することが報告されています。
この背景には、自律神経のバランスや脳の刺激に対する感受性が関係していると考えられています。
体調の変化やストレス、睡眠不足などで自律神経が乱れると、嘔吐発作や頭痛が誘発されやすくなります。
なお、日本では「アセトン血性嘔吐症」と呼ばれる病気もありますが、これは周期性嘔吐症とは異なる疾患であるため、区別して理解する必要があります。
家庭でできる観察とケア

発作時は静かで安心できる環境をつくる
発作が始まったら、明かりや音をできるだけ減らし、静かな環境で安静にさせましょう。
吐いたあとの水分補給と栄養補給の工夫
嘔吐後は脱水を起こしやすいため、少量ずつの水分補給が大切です。
経口補水液や薄めたスポーツドリンクなどを、少しずつ何回にも分けて与えると安心です。
発作の間隔や症状を記録しておく
「いつ・どんな様子で発作が起きたか」を記録しておくと、受診の際に役立ちます。
特に頭痛やめまいを伴ったかどうかも一緒に書いておくと診断の参考になります。
周期性嘔吐症で受診を検討すべきとき
周期性嘔吐症は家庭での工夫で対応できる場合もありますが、次のようなときには医療機関の受診が必要です。
嘔吐が長引く、または水分がとれない
吐き続けて水分が摂れない場合は、脱水の危険があります。尿が8〜12時間以上出ない場合も要注意です。
症状が頻繁に起こる
発作の間隔が短くなっている、または学校生活に支障をきたしている場合には、一度医師に相談しましょう。
発作のたびに症状が強くなっている
回を重ねるごとに症状が悪化している場合や、嘔吐以外に強い頭痛・項部硬直・意識の異常・胆汁性(緑色)や血性の嘔吐がみられる場合には、至急医療機関を受診してください。
周期性嘔吐症の特徴と受診の目安を知って子どもをサポートしましょう
周期性嘔吐症は、繰り返す嘔吐が特徴で、片頭痛と深い関係を持つことが分かっています。発作のときは静かな環境で休ませ、水分補給をこまめに行うことが大切です。
症状が頻繁に出たり、強くなってきたりした場合には、早めに医師に相談することで安心して対応できます。
保護者の方が正しい知識を持ち、日常生活の中でサポートしていくことがお子さんの安心につながります。
医院紹介

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福岡市博多区の「あきらめない頭痛クリニック」は、日本頭痛学会専門医・指導医の院長が、20年以上にわたり小児の頭痛治療に携わってきた経験をもとに、お子様一人ひとりに合わせた最適な治療を行っています。
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